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内臓脂肪減少薬

[2024.03.11]
少し肌寒い朝、春の到来を日差しに感じながら駅まで歩く。歩きながら腰を起こす感覚を微調整している自分に気づく。俯瞰的感覚に満たされている状態は心地よい。
4月から大正製薬が‘アライ’という内臓脂肪減少薬を販売するらしい(https://brand.taisho.co.jp/alli/)。膵臓から分泌される脂肪分解酵素リパーゼの活性を抑制し脂肪の吸収を阻害し食事の中の脂肪の約25%を便に排出するとのこと。副作用は脂肪の便排出による軟便、下痢、油漏れ。大変な薬が出たなというのが私の印象だ。Negative な意味での大変。人体はミクロコスモス(小宇宙)であり、あらゆる機能、器官が相互に関係、調整している。胃酸を強力に抑える薬(PPIなど)の長期内服が心筋梗塞、脳卒中、腸感染症の発生を引き起こすことは医療界では常識になりつつあるこの薬が身体に重大な負の効果をもたらすことは容易に想像できる人体は摂取した余分な糖分を脂肪に変換して蓄えるシステムをホモサピエンス30万年の歴史の中で培ってきた。飢餓の氷河期を克服できたのはこのシステムのおかげだ。つまり余分な糖分を摂らなければ体内脂肪に変換されることはないヒトのエネルギーの中心は糖であり生きるために糖分摂取は必要不可欠だ。だから私は糖質制限と言う言葉は嫌いだ。糖の適量摂取(そのヒトにとって)こそ肝要なのだが、大概が摂りすぎなのが実際で癌、動脈硬化を引き起こしている。ヒトは糖中毒と認識すべきなのだ。この薬はほんの一部の病的肥満のヒトが一時的に使うことには意味があると思う。必要のない多数のヒトが使うこと(大正製薬の目論み)が心配だ。使い方や適応の記載をみると重大な弊害が出ても自己責任という誘導が見え隠れする。コロナワクチンの副作用でなく副反応という言葉を思い出す。短期間で結果を得ようとする‘現代人の心の病’に見事にマッチングした薬だ。内臓脂肪を落とす最も安全で自然な方法は断食の他にはないことをみんな知らないのだろうか。
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