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膵臓癌、かからない方法を考えるとすべての癌にかからない方法がみえてくる!

[2024.04.09]

今の日本人は一生のスパンでは二人に一人ががんになり三人に一人ががんで亡くなります。今はという言葉を使うのは私が約40年前に医者になった頃は違ったからです。現在男女併せると最も多いのは大腸癌、男性で最も多いのは前立腺癌、女性は乳癌ですが、膵臓癌は男女ともに罹る癌の中で第6位に位置しているにもかかわらず死亡順位は男性癌死の4位、女性癌死の第3位に位置しており(図1)近年急速に増えてきている癌であり特に女性の増加が顕著です(図2)。

私が長年内視鏡で視させていただいている患者様やその親族の方も最近膵臓癌になられる方がちょくちょくおられ相談にのっています。膵臓癌は他の癌に比べ5年生存率が極端に低く10%にも満たない状況でありすべての癌の中で最も致死率の高い癌なのです(図3)。診断されるとまず半年と言うのが私たち消化器専門医の常識です。膵臓はお腹の奥に位置するため癌になっても症状が出にくく内臓脂肪の存在から簡単な検査でみつけられないのです(図4)。最新のデータを見ると診断数と死亡数が近く、5年生存率が非常に低く、ほぼ男女均等に生じる癌であり、つまり罹らないことが最も求められる癌なのです(図5)。

膵臓癌発症のリスクファクターはタバコ、年齢、家族歴、肥満、糖尿病と一般的に言われており(図6)家族歴のある方は特に注意ですがそれ以外のリスクファクターはすべての癌に関係するものであり膵臓癌に特別のものではありません。

では膵臓癌を含めたすべての癌にかからない方法はあるのでしょうか?癌は生活習慣病であり厚生労働省のHPにも生活習慣を改善することにより、その発症・進行が予防できると書いています(生活習慣病とは? | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp))。癌は感染症の様に体外から身体に入るものではなく自分自身の正常細胞から発生したものであり(正常細胞の相似形)自分自身が作り出しているものなのです。癌の発生はまず遺伝子異常が生じ、その蓄積に生活習慣が加味されることにより生じるものであり、生活習慣は癌進行の立役者でもあります。言い換えれば遺伝子異常の蓄積のみで加味される生活習慣がなければ癌は発症しないのです。つまり癌発症の鍵は生活習慣なのです。世界中の基礎研究、臨床研究のデータがそれを示していま(図7)。

したがって癌に罹らない方法は確実に存在し、それはまさに生活習慣の改善なのです。そしてその要は食、運動、睡眠です。特に重要なのが食であり最近の癌の増加はここ数十年の日本人の生活習慣、特に食の変化に起因することは間違いありません。癌の栄養・代謝については1931年にノーベル賞を受賞したドイツ人 オットー・ワールブルグが Warburg 効果として解明しています。人間は大まかにいうと酸素を使うミトコンドリア系の代謝と酸素を使わない解糖系の代謝を使い分けて生きていますが癌は解糖系の代謝なのです。そしてエネルギー源として糖を吸収し、Na(塩:NaCl)を吸収、H(水素イオン)を排出し巣くっている体を酸性化してゆきます。癌の予防・治療を栄養・代謝の面から考えると口から入る糖、塩分を減らし体を酸性化する動物性由来食品を控えアルカリ化してくれる植物性由来食品をたくさん摂ることが肝要なのです(図8)。

アルカリ化食が予後不良な膵臓がんの生存率を有意に上昇させたデータが食による癌の予防・治療に取り組んでおられる からすま和田クリニック(からすま和田クリニック (karasuma-wadaclinic.com))の和田洋巳先生から報告されています(図9)。癌にかからない日々の食の要点は糖分、塩分を控え動物性由来食品を控え植物性由来食品をしっかり摂る、つまり薄味にすることに尽きるのです。待てよ、これって精進料理やんか!そうその通りです。私たちは歴史の中で健康に生きる方法としてその食養生を培ってきました。今の日本人はその歴史的に培養された素晴らしい遺産からどんどん離れる生活をし身体を蝕んでいるのです。当院では断食・食養生のレッスン(院長)を随時ZOOMで行っており、理論と実践は毎月1回食養生の会(九楽佳(田辺)先生)で皆様にお伝えしています(クリニックに併設された道場の「ありのまま会」 / 食養生コーチ 九楽佳Kulaka ブログ たねの音 (goraku21.com))。

 

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